主な生活習慣病

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高血圧症

心臓から全身に血液を送る際に血管壁にかかる圧力のことを「血圧」と呼んでいます。高血圧症とは、この血圧が正常の範囲とされる数値を超えてしまう病気です。医療機関で何度か繰り返し血圧測定を行い、最高血圧(収縮期血圧)が140㎜Hg以上、もしくは最低血圧(拡張期血圧)が90㎜Hg以上の場合に診断されます。

なお、血圧が慢性的に高くなったとしてもそれによる自覚症状が現れることは稀です。そのため放置しやすくなりますが、血管壁には常に高い負荷がかかっているので、やがて動脈硬化を引き起こすようになります。それでも放置が続けば、脳卒中、心臓病などのリスクが高まります。高血圧症などの生活習慣病は早めに治療を開始することが大切なので、これといった症状がなくても血圧が常に高いという場合は一度ご相談ください。

糖尿病

糖尿病は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度が慢性的に高い状態のときに診断されます。健康な人の場合、食事や甘いジュースなどを飲食することで上がった血糖値は、膵臓で生成されるホルモンの一種インスリンが分泌されることでバランスがとれた数値に戻ります。糖尿病になると、インスリンの分泌が何かしらの原因によって作用不足を起こしてしまい、血糖値は高いまま維持されるようになります。

なお、糖尿病を発症する原因は主に2つあります。ひとつめは、1型糖尿病です。主にインスリンがつくられる膵臓のβ細胞が自己免疫反応などで破壊されてしまい、ほぼ分泌されなくなります、この疾患は10~20代の若い方にみられることが多いのですが、高齢者でも発症することはあります。もうひとつの2型糖尿病は、全糖尿病患者の90%以上を占めており、不摂生な生活習慣が関係しています。具体的には、ご飯の食べ過ぎ、野菜不足、過度の飲酒、運動不足、喫煙などの環境要因が合わさるなどして起こります。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中の脂質が慢性的に異常値を示す病気です。血中脂質には、LDL(悪玉)コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、HDL(善玉)コレステロールなどがあります。このうち動脈硬化と関連性が高いとされているLDLコレステロールとトリグリセライドが多くなったり、HDLコレステロールが少なすぎたときに診断されます。コレステロールは体に必要なものですが、増えすぎたりしてしまうと、体に悪影響を及ぼしてしまうのです。健康診断などで、LDLコレステロール値が140mg/dL以上、中性脂肪が150mg/dL以上、HDLコレステロール値が40mg/dL未満の場合の方は脂質異常症となりますので、お早めに当院をご受診ください。

高尿酸血症(痛風)

尿酸とは、細胞の核の成分であるプリン体が分解して発生する老廃物です。多くは血液中で溶けて腎臓へ運ばれ、やがて尿として排出されるようになります。しかし、これが必要以上に増えた場合、水分に溶けにくい性質なこともあって尿酸塩が増えてしまいます。高尿酸血症は、血液検査で血清尿酸値を調べ、その数値が7.0mg/dLを超えている場合に診断されます。このように尿酸が過多な状態が長い間続くと、針状に結晶化した尿酸塩が徐々に増えていきます。これが関節などに留まってしまうと、激痛を伴う痛風発作が起こります。とくに、足の親指の付け根付近が痛むことが多いです。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が停止したり、低呼吸状態になってしまう病気です。具体的には、睡眠中1時間あたりで10秒以上の呼吸停止が5回以上ある場合、あるいは呼吸が50%以下に低下している(低呼吸)状態が1時間あたりで10秒以上みられるときに診断されます。このような状態が続くと、眠りは自然と浅くなっていき、やがて熟睡感が得られなくなります。そのため、日中など活動時でも強い眠気に見舞われるようになり、様々な問題が起こります。大きないびきをかいていると言われた、日中に強い眠気に襲われる、熟睡感がない、記憶力が低下している、運転中に強い睡魔に襲われたことがある、といった方は睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。